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auのMVNOが抱える問題点とは?「IIJmio Meeting 14」レポート

auのMVNOが抱える問題点とは?「IIJmio Meeting 14」レポート

インターネットイニシアティブ(IIJ)は1月28日、MVNOとして展開する個人向けモバイル通信サービス「IIJmio」のユーザーミーティング「IIJmio Meeting 14」を実施しました。14回目となる今回も、初心者向けから上級者向けまで、幅広いテーマでIIJmioに関する情報が盛り沢山でした。

冒頭の「IIJmio Update」では、IIJが昨年末に提供を開始した「エコプラン」に関しての説明がありました。エコプランは、使用しなかったデータ通信容量分の料金を割り引くという特徴ある料金プランであることに加え、「auのネットワークを用いた『タイプA』のSIMを用いる」「スマートフォンとSIMをセットで提供する」など、従来同社が提供してきたサービスの方針とは大きく異なる点がいくつかあります。そのため、多くのユーザーから問い合わせがあったとのことです。そこで、ネットワーク本部技術企画室 担当課長の佐々木太志氏が、改めてエコプランを提供するに至った経緯を説明しました。

佐々木氏によると、タイプAはauのネットワークの性格上、対応する端末が少ないため、現状でのSIM単体での販売は、SIMについての知識がある人以外には難しい部分があり、スマートフォンとのセット販売に力を入れた方がよいと判断。その上で、SIMに詳しくなく、キャリアに近いセット販売の方が分かりやすいと感じる人や、無駄な料金を支払いたくないと感じている人も多いことから、タイプAのSIMを活用してセット販売を基軸としたエコプランを提供するに至ったそうです。それゆえIIJでは、あくまで従来通りのSIM単体でのサービスを中心として展開し、セット販売を主軸とする考えはないとのこと。

【参考記事】
IIJmio、au回線で余った通信料に応じて値引きの新プラン発表!

初心者向けセッション「みおふぉん教室」では、コンシューマサービス部 サービス企画部 リードエンジニアである松崎考視氏が、最新のSIMフリーのAndroidスマートフォン選びについて解説しました。2年ほど前であれば、SIMフリースマートフォンは3万円前後の価格帯のものがほとんどで、CPUやメモリ、対応するバンドなどのスペックが端末選びの大きな基準となっていました。しかし最近では、SIMフリースマートフォンを取り巻く環境が急速に変化。2万円前後の低価格なものから、8~9万円する高性能なものまで、非常に幅広い端末が出そろうようになりました。

従来の性能面に加え、「VoLTE」「Wi-Fiの5GHz帯」「指紋センサー」など、多くの人がこれから注意すべきポイントを紹介。ただし、松崎氏は、ホーム画面の使い勝手やOSのアップデートがこまめに提供されるかどうかなど、スぺック表からは見えないポイントも端末を選ぶ上で注意すべきだとも説明しました。ECサイトや価格比較サイトなどでの口コミを参照したり、量販店で確認したりするなど、購入する前にさまざまな手段で情報を得ることをおすすめするとのこと。ちなみにIIJmioでは、Webサイト上に社員による端末のレビューを掲載しており、松崎氏の“熱いレビュー”もあるそうです。

続いて、佐々木氏からSIMロックの歴史とMVNOの対応について説明が行われました。日本でSIMロックの概念が現れたのは、初めて携帯電話にSIMを挿入する仕組みを採用した、3Gの頃からだそうです。しかしながら、当初キャリアがSIMロックをかけた理由は「ユーザーの囲い込み」ではなく、以前はキャリアによって通信方式に互換性がないのに加え、キャリアが端末とサービスを一体で設計・開発していたため、他キャリアのSIMに差し替えるとサービスが利用できなくなるなど、「端末とサービスの不一致」が起きてしまうことが主な要因だったと佐々木氏は説明します。

総務省は2007年に「モバイルビジネス研究会」を立ち上げ、顧客を囲い込むためのSIMロックを問題視したものの、当時はそうした事情から、すぐにSIMロック解除に向けた動きが進められたわけではなかったとのこと。キャリア間の通信方式の統一化や、サービスがキャリアに依存しないスマートフォンの台頭など、環境の変化に応じてSIMロック解除に向けた動きを強めていったそうです。最近ではSIMだけでサービスを提供するMVNOや、SIMフリー端末が増え、ユーザー心理的にもキャリアに縛られなくなってきたことから、SIMロック解除を利用する人も昨年から急速に伸びているとのことで、佐々木氏は「脱SIMロック時代の瀬戸際まで来ているのではないか」と評価していました。

続いてネットワークサービス部 技術開発課 リードエンジニアの大内宗徳氏が、冒頭の「エコプラン」提供経緯の中で触れていた、auのネットワークを用いたIIJmioのサービス「タイプA」をSIMフリー端末で利用した場合の諸問題について、技術的説明を交えて詳しく説明しました。タイプAのネットワークは3Gを一切利用せずLTEのみを用いており、なおかつ特定の周波数帯で問題を抱えているなど、世界的に見てかなり特殊な内容となっています。それゆえ3G(W-CDMA)とLTEの双方を用いたスタンダードネットワーク(IIJmioの「タイプD」など)とは異なり、特に音声通話も利用するスマートフォンなどでは、3Gがないことの影響から使えないことが多いそうです。

実際、タイプAで利用できるスマートフォンはSIMロックが解除されており、なおかつauのVoLTEに対応しているもの、具体的には「iPhone 6s」以降のiPhoneと、KDDIの相互接続テストに通過したSIMフリー端末のみとなるようです。ですがタイプAは、ネットワークの仕組み以外にも多くの癖があり、端末によって利用できないサービスがあったり、安定しなかったりと、さまざまな弱点を抱えているとのこと。そこで大内氏はSIMフリー端末のメーカーに対しても、そうした問題への対処をお願いしていました。

イベントの最後には、本日の登壇者がTwitterや会場から寄せられたさまざまな質問に答える、恒例のフリートークを実施。ですが今回は登壇者に加え、インフルエンザのため参加できなかった広報部 技術広報担当課長の堂前清隆氏が自宅からテレビ電話で参加。堂前氏らしい軽快なトークで会場を盛り上げていました。

ちなみにIIJは、昨年8月に自社で加入者管理データベースを持ち、SIMカードが発行できる「フルMVNO」になることを発表していますが、それに伴い必要になる公衆陸上移動体ネットワーク番号(Public Land Mobile Network Number、以下「PLMN番号」)を取得したとのこと。その番号は「440-03」という番号になるそうで、会場にはその指定証も展示されていました。佐々木氏によると、フルMVNOに向けた取り組みは「現在エンジニアが総がかりで進めている」そうで、今後の展開が期待されるところです。

 

(文・佐野正弘)

この記事の執筆者

佐野正弘

佐野正弘

エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在は業界動向から、スマートフォン、アプリ、カルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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