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【前編】freebit mobile石田社長インタビュー

【前編】freebit mobile石田社長インタビュー

キャリアプランの高価格化に反するように、続々と低価格でおトクなMVNOが登場しています。家電量販店やスーパーなどでも、MVNO+SIMフリースマホの組み合わせを販売するなど、3大キャリア以外の選択肢も徐々に一般化してきています。 そんな中、オリジナルのAndroidスマホを自社開発し、独自の路面店、密接なサポートを展開するfreebit mobileが立ち上がりました。端末代込みで月額2,160円と驚異の低価格を実現。果たしてどんな仕組みでそれを行っているのか?品質は? 「サードウェーブキャリアを目指す」という同社社長・石田宏樹氏に話を聞いてみました。

◆freebit mobileとは何なのか?

――そもそも何を目指して、freebit mobileを始めたのでしょうか?


もともと「新しいコンピュータを作っていきたい」という想いがあったんですよ。我々は特許技術でさまざまな企業にインターネットインフラを提供している会社なんですが、ハードウェアとネットワークをどうやって展開していくか、を考えていました。
コンピュータって、2年に1回ぐらいの買い替えが必要な製品ですが、ネットワークと繋げることで製品寿命を伸ばせないか、継続課金モデルは?などを考え、プロバイダを作ったり、インターネットテレビを出したり、色々やっていたんですね。

ハード面でいうと、2002年にソニーの顧問をしていた時、当時のソニー社長・出井伸之さんが「次のコンピュータの主力はスマートフォンになる」とおっしゃっていたんです。ソニーはその戦略に向かって動いていったのですが、大きすぎて動けない部分もあったんですね。そこでfreebitでは家電を作っていたエグゼモードを買収して、端末だけでも作れないかと試行錯誤を始めたんです。リアルタイムOSのフォトフレームから始まって、タッチスクリーン、タブレットときて、8年かかってスマートフォンが作れるようになりました。
そのうえで、昨今のMVNOの情勢と、Android OSとそれをコントロールする技術、全てのタイミングが一致したのが2013年だったんです。

 

――なるほど。ずっとスマホを目指していて、10年来の目標が結実したわけですね。


まだここからですね。電話事業者のスマートフォンは電話をベースにしているので、非常に複雑な料金プランになっていて理解できる人がほとんどいません。販売方法も三次代理店まであります。
僕らインターネット屋は、「あらゆるものをシンプルにして、その結果安くなる」というインターネットの特性をそのままに新しいコンピュータを作りたいので、仕組みから作り始めました。その結果、できたのが今回のPandAです。単純にMVNO SIM+スマホをやろうとしているんじゃないんです。

なぜ、AndroidよりもiPhoneが使いやすいかといえば、Appleがハードとソフトを総合して「一つのアーキテクト」がなされているからだと思うんです。ただ、iPhoneはネットワークを統合できていない。だから現在、不満の多くはキャリアの部分になっていますよね。
僕たちは、Androidを完全にコントロールしたうえで、ネットワークまで垂直統合したらもっとシンプルなものが作れるんじゃないか、と考えているんです。

今のスマートフォンは電話をベースに考えられていますが、我々は、インターネットをベースに考えます。

050アプリ

例えば050アプリ。050のIP電話で通話を安定させようとすると、Codecでどうにかするしかないんですが、弊社のIP電話はインターネットを通さず、普通のトラフィックと別のところを使って、安定した通話を実現させているんです。これは回線と垂直統合しているから初めてできることで、弊社が持つ特許です。

社長・石田宏樹氏

通常のインターネットの部分も、回線スペックでは250kbps~300kbpsと謳っていますが、実際には500kbpsぐらい出しています。さらに、クラウド側でいったんデータを圧縮して解凍するという構造にしているので、体感値ベースでは1.2Mbpsから1.5Mbpsぐらいの速度を実現しています。

 

――PandAは、LTE機ではなく3Gですが、平均的にその速度が出るんですか?


すごく丁寧に処理することによって、それぐらいの速度が出るんです。渋谷地区のLTEの平均速度が2.7Mbpsぐらいですから、頑張ってますよね。
PandA端末も、前のバージョンでも今のバージョンと、速度がほどんと変わらないように工夫しています。端末のスペックにない部分を、クラウドで処理することで補っているんです。買っていただいた方に対して、できるだけイコールな形でサービスができるような状況を作っています。これも、ネットワークと端末を統合することによって、初めて可能なことなんです。 PandA

 

◆PandAならではの特徴

――先ほど特許とおっしゃいましたが、他にどんなものがありますか?


PandAには、我々が世界特許を持っているものを含めて、24個特許が入っています。一番面白いのは、アプリケーション自体にIPアドレスを振る「エモーションリンク」という技術です。

具体的に言うと、050アプリ自体がIPv6で動いているんですよ。Androidから見たら、ただのインターネットのトラフィックに見えるんですが、インターネット側から見たら050アプリ自体にIPアドレスが振ってあるんです。
IP電話の難しさは、発信よりも着信で、ユーザーが3GなのかWi-Fi環境なのかによっても変わってきます。けれど、グローバルのIPアドレスが振ってあれば、どのネットワーク環境でも確実に着信させられるんですね。
PandAは、Androidのミドルウェアまで自分たちで作っていますから、タスクマネージャでkillできないアプリにするなど、全部コントロールしています。

 

――単にオリジナルアプリが乗っているだけではないんですね。


ソフトウェア、ミドルウェア、ハードウェア、クラウド、ネットワークを全てコントロールしているので可能なんです。アプリ毎に帯域を変えることもできますよ。
面白いところでは、『One』というメディアソフト。いうなれば、iPhotoとiTunesとEvernoteとDrop boxが1つになったようなアプリなんですが、これ自体もIPアドレスを持っているので、いきなりPCのブラウザからIDとパスワードを入れれば、そのままPandAの中にある写真を見れたり、まとめてZIPでPCに落とせたり、音楽をドラッグ&ドロップで入れられたり、聞いていた曲の続きをPCでそのまま再生するなんてこともできます。
PandA自体がサーバになっていて、どこからでもアクセスできるんです。

 

――PCと同じWi-Fiにつなぐ必要もなく、どこからでも可能なんですか?


そうです。他にも、ファミリー向けを想定した機能ですが、例えば子供がスマホのGPSをOFFにしていても、親側がリモートでONにして、場所を通知させるといったことも可能です。

 

――え!?そんなこともできるんですか?


ハードもすべてコントロールしているのでできるんです。『家族メッセンジャー』というメッセージアプリもそういったアプリのひとつです。全てのアプリの一番上にメッセージ画面が出ますので、メッセージを読んでタップするしか終了できないんです。子供が、ちゃんと親からのメッセージを読まないと、そこから先は使えないという感じです。電源を切ったとしても、入れた途端にまた表示されるので、既読スルーもできません。これも普通のAndroidアプリじゃできないですよね。こうすることで、家族間でスマートフォンのルールを設けることができるんです。

社長・石田宏樹氏

もうちょっとコミュニケーションを緩やかにしたいという要望で『Air Knock !』というアプリも設けました。(2014年9月発表)ドアが表示されて、この画面を単純にノックするだけ。すると、相手のスマホで叩いた数だけノック音がする、という仕組みです。ちょっとした確認や緊急時など、キーボードをタップすることなく、とてもシンプルに連絡が取れますよ。

 

――UIはオリジナルのものを搭載されていますね。


『スタイリッシュ』というものを推奨してるんですけど、Androidに慣れた方は、標準のホームに切り替えていただければ大丈夫です。
『スタイリッシュ』はボタンだけのUIですが、これだけで95%位のことができるうえ、下にあるスライドされるラインにショートカット同様、アプリや電話番号やURLを置いておけます。AndroidとiPhoneのユーザビリティの中間においている設計で、ガラケーやiPhoneを使っていた人でもすぐに覚えられます。

「スタイリッシュ」と呼ばれるUIシニアに人気の「TENJIN UI」
「スタイリッシュ」と呼ばれるUI(左)とシニアに人気の「TENJIN UI」(右)

高齢者向けのUIは、誤動作防止のためにボタンをタッチするだけではアプリは起動せず、長押しで起動するようになっています。

 

――新規のアプリや修正は、どういったところから決まるんですか?


一番大きいのはアトリエ(路面店舗)からの声ですね。毎日レポートがあがってきて、そこからフィードバックしています。

例えば緊急通報。050は総務省の指導で緊急通報に使えません、お店でもそう案内していたのですが、僕が店頭にいるときに「なんとかならないか」とユーザーさんに直接お声がけいただいたんです。確かに社会責任としてすごく重要だなと思いまして、何か代わるものができないかなと。
僕たちは、大手のキャリアさんの緊急通報システムのOEMをしていて、110や119にどうやって繋ぐかを知っていました。それと同じものはできませんが、近いものは作れるなと。結果、GPSを使って取得した位置情報から、近い病院/警察署などを探してそこに電話をかけるという形になりました。

 

――端末はシンプルですが、どういうコンセプトなのでしょうか?


基本的にはチップのロードマップと、Android OSのロードマップから考えています。そして部品のロードマップが大体2年以上出ているものから部品を選ぶという考え方です。
一番重要視しているのは、バッテリーの持ちですね、そのうえで画面をぎりぎりまで大きくしていきたい。だから、LTEではなく3Gを選んでいるんです。VoLTEになれば別ですが、音声のためだけに3GとLTEの2つを持っているのは非効率だと思うんですよね。その分、速度はクラウドでユーザビリティを高めるやり方をしています。

後編は11月7日に公開します。

>>関連リンク
敬老の日 お年寄りにスマホの新しい世界を
フリービット株式会社
SIMフリースマホ入手でおさえておきたい「OCN モバイルONE」とは?

この記事の執筆者

SIM通編集部

SIM通編集部

2013年10月にSIMカード情報の専門メディア「SIM通」を開設。以来、格安SIM・格安スマホに関する最新情報やSIMフリー端末のレビュー、インタビュー取材などの記事を配信してきました。「ITライフch」でも、SIM・MVNOに関する記事執筆を続けていきます。

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